犬にも漢方!?『人とペットのための東洋医学』のセミナーに行ってきました。

犬にも漢方!?『人とペットのための東洋医学』のセミナーに行ってきました。

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鍼や漢方などの東洋医学などを取り入れた、往診専門の動物病院をされている【オムニア自然療法ペットクリニック】の獣医師 鈴木綾香先生のセミナー『人とペットのための東洋医学 〜飼主さんも一緒に元気になろう!〜』を受講してきました。

これまでどちらかというと、「漢方?鍼?効果あるの??」と思っていた私です。

ところが、先生のブログを読むうちに興味が湧いて、どんなものなんだろうと受講してみることに。

受講した感想は、とても勉強になりました。
体質を知ることは大切だと感じました。

大げさではなく、飼主が愛犬の体質を知っているのと知らないとでは、違った人生(犬生)になるんじゃないかと思います。

体質を改善すれば健康に長生きができ、薬に頼ることなく病気が治る可能性も。

抗生剤やステロイドを使ってもなかなか症状が良くならないワンちゃん・ネコちゃん。

漢方や鍼治療といった東洋医学の治療をしてみるといいかもしれませんよ!

オムニア自然療法ペットクリニック

少し前に、福岡のローカル番組で往診専門の獣医師さんが取り上げられていました。

オムニア自然療法ペットクリニックさんです。

我が家の先代の子は肺水腫を患い、晩年は自宅にレンタルした酸素室から出ることができなくなり、病院へ行くことができませんでした。

当時のかかりつけだった獣医さんはお忙しくて来ていただけず、往診してもらえる獣医師さんを探しまくった経験があるんです。

なので、「往診専門」と聞いた瞬間テレビを録画し、ブランの万が一のためにと病院名をメモしました。

オムニア自然療法ペットクリニック
ペットに負担の少ない、自然療法を取り入れた往診専門の動物病院。鍼や漢方などの東洋医学やマッサージ、薬膳などを取り入れ、飼い主とペットに寄り添う診療をされています。

それから、ホームページを拝見し、ブログなどを読み進めていると次第に興味が湧いてきました。

ブランも一度診ていただきたいなと。

立てなかったワンちゃんが鍼治療で歩けるまでに回復したり、漢方で皮膚病の子が良くなったり。

私の簡単すぎる説明では少し怪しい感じがするかもしれませんが、全然そんなことはないですよ!

獣医師の鈴木先生は元々、西洋医学の動物病院で働かれていたそうです。自身のお子さんのご病気の経験から東洋医学と出会い、驚くほどの回復があったそうで。その後動物にも取り入れたところ、西洋医学では治療できなかった病気が改善されていく姿を目の当たりにして今に至るとか(違っていたらすみません・・)。

とってもアクティブな先生です。常に色々な勉強をされていますし、本当にお忙しそう。今度、福岡に新しい施設を開業されるそうで、そちらも楽しみです。

そしてある日、そんな先生のブログにセミナー開催のお知らせが!題目は『人とペットのための東洋医学 〜飼主さんも一緒に元気になろう!〜』

2部構成になっており、午前中は人のための東洋医学。
午後からがペットのための東洋医学です。
10:00スタートでお昼を挟んで16:30まで。
受講料は¥15000です。

金欠気味だったのでどうしようか悩みました。東京や大阪はすでに満席でキャンセル待ち状態。数日悩みましたが、どんなお話が聞けるのか申し込んでみることにしました。

室見川を散歩するブラン

セミナーの詳細

第一部 人のための東洋医学

ドキドキしながらセミナー会場へ。自分でお金を払って受講するセミナーは、実はこれが初めてです。

とっても楽しみ🎵

まずは先生のご挨拶があり、その後本題へ。

なぜ人の東洋医学もセットなのかというと、往診に行くと「ペット第一、自分の体調は二の次」という飼主さんがとても多いからだそうです。

体調の優れない飼主さんが手でマッサージをすると嫌がる犬が、器具を使うとすんなり受け入れることがあるとか。

動物は飼主さんの手から敏感に「何か」を感じ取るのかもしれないですね。

まずは飼主さんが健康になりましょうということでした。

詳細はカットしますが、私も漢方相談へ今度行ってみようかと思いました。

西洋医学とは投薬や手術で患部を治療しいく現在主流となっている医学療法です。対する東洋医学とは「体の不調を根本から治す」「未病のうちに病を予防する」といった考えの医療で、鍼や灸、あん摩、漢方薬などで治療を施します。西洋医学に比べると体への負担が少ないとされる東洋医学ですが、どちらの医学が優れているということはなく、病状によって得手不得手があるようです。

第二部 ペットのための東洋医学

午後からはペットのための東洋医学です。
待ってました!

人についての東洋医学も興味深く勉強になりましたが、やはりペットですね。

セミナーの柱となる議題はお薬やサプリを飲ませる前におうちの子の「体質」を知ろう!(・・で合ってるかと思います。)

食べ物やサプリなど、その子の体質にあったものを与えなければ、効果がないどころか「毒」にもなり得るようです。

五臓六腑ってありますよね?
「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎。
「六腑」とは、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・(三焦)を指すそうです。
今回のセミナーでは五臓六腑と各疾患との関係をわかりやすい図表にまとめてありました。

五臓六腑と各疾患の関係

東洋医学では五臓六腑はつながっているという考えがあるそうです。各臓腑に不調なところがあると、それぞれ特徴的なサインが現れるとか。

耳鳴り、むくみの症状→「腎」が弱っている・・という感じです。

日頃からそのサインを見逃さず、症状が軽いうちに対処することで、病を防ぎましょうということです。

こんな症状ないですか!?ワンちゃんの症状別サイン

以下の症状は一例です。実際の診断とは異なることもあるかと思いますので、気になる方は先生の診察を受診されることをおすすめします。
例 : 目力がない

目力のないワンちゃんっていますよね。トロンと眠たそうな目といいますか。そういう子っておとなしい子が多くないですか?東洋医学的には体に水が溜まって重たいということがあるそうです。

消化機能が弱ったり、体が冷えたりしている可能性も。(専門用語でいうと「脾気虚」「腎虚」というそうです。)

目がトロンとしているのも、むくみが原因かも!?

ワンちゃんの肉球を触って見てみてください。
冷たくはないですか?(冷え)
パンパンになっていないですか?(むくみ)
肉球をチェック
くぼみ線が無く、全体的にパンパンになっている場合はむくんでいる可能性があるそうです。
例 : フケがでる
フケがでていませんか?

特にシーズーに多いそうですが、「血虚」という潤す血が足りずにカサカサの状態だそうです。逆に、ベタベタしている子は「湿熱」状態なので、湿気や熱を帯びる食べものは避けたほうが良いそうです。マラセチアや脂漏症の子など。

例 : 体を掻く①

赤みが出て、終始痒がっているワンちゃん。

触ってみると体が熱くないですか?

これは熱で痒みが出ている可能性があるそうです。その場合温めるような食材はNG。食事を変えて熱を出してあげなければ、いい薬を使っても完治は難しいそうです。

例 : 体を掻く②
体の側面、脇、耳をよく掻いていませんか?

我が家のブランはこれです。

これは「気」の滞りだそうです。本当に痒くて掻いている子は1割程度で、何かその場所に滞りがあって掻いている事の方が多いそう。

ジャスミン茶やピーマンがおすすめだそうですが、「気滞」は食べ物での改善は難しいらしく、運動や散歩でストレスを発散してあげてくださいとのことでした。

例 : 鼻水が出る・鼻が詰まる

「肺熱」「水毒」「肺気虚」といった状態の場合が多いそうです。

鼻水や下痢といった症状は漢方で治りやすいとか。

慢性的な下痢が続く炎症性腸疾患(IBD)は通常ステロイドの投薬がされるそうですが、先生の経験から、漢方でかなり改善することができるとのことでした。

例 : 石やビニール、草をよく食べたがる

これも未病のサイン。「胃熱」の症状からきている場合があるそうです。

冷たいものを摂って冷やしたいんでしょうね。

背中の真ん中辺りが熱くないですか?

ブランはちょっと当てはまるかも?・・

例 : ハーハーいう①
舌の色が赤黒くないですか?

「心熱」状態かもしれません。
夏であればスイカが心熱にはよく効くそうです。

保育園で過ごすブラン
舌の色もチェック!
例 : ハーハーいう②

普通はハーハーしているから暑いのかな?と思いますよね。

背中の皮膚をつまんでみてください。元に戻りにくくないですか?

水が溜まってむくんでいる状態の可能性が。

背中をチェック
背中をつまんで戻り具合をチェック。

舌の色が白っぽければ冷えている可能性も。こういった症状の時は体を冷やすのはNGだそうです。ハーハーいうからと体を冷やせばいい訳ではないんですね。

まずは体を触ってみて熱いか、冷えていないかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

【四肢麻痺から回復したダックスのおはなし】
先生が担当されたワンちゃんで四肢麻痺になり、病院からは安楽死をすすめられたダックスがいたそうです。動画を見せていただきましたが、立つこともままならず、かわいそうな状態でした。そこで、鍼治療を施したそうです。
1週間後・・立って歩くまでに回復していました。安楽死を勧められた状態からこんなにも回復することができるなんて。「鍼は動物への負担もありません。諦める前に鍼治療を受けてみてください。」と先生はおっしゃっていました。もしかしたら薬にも頼らずに良くなるかもしれないですよね。

その他よくある症状と体質

足のひざ下、耳が冷たい

「水毒(腎虚)」
手足や耳が冷たい子は、末端に水が溜まってきているのかも!?。腰を温めてあげると良いそうですよ。毎日触って確かめてみましょう。

肩周り、耳周り固くなりやすい。

「気滞(肝うつ気滞)」の状態。
チワワ、シュナウザー、柴犬に多いそうです。イライラが多いなど。

涙やけ

「肝熱」状態。
食べ物などで体質を改善してあげないと、いくら専用のシートや薬剤を使って拭き取ってあげても、涙やけの解消は難しいようです。

落ち着きがない、夜中寝ない。

「心熱」の状態。
「肝熱」「心熱」などの状態の子は薬膳的には鹿・ラム・鶏肉は熱しやすい食材なので不向きだそうです。フードに入っていませんか?(ただし、これらの食材は逆に体が冷える子には良い。

サプリメントやハーブ類、食材など、ネットなどで見た情報で「これが良い」と書いてあったら試してみたくなりますよね。でも、熱のこもっている子に熱を発する食材はNGです。水をあまり飲まないからと、水が溜まっている子に水を飲ませると症状が悪化する可能性が。まずは、愛犬の体質をみて、その子に合ったものを探してあげることが大切なようです。

ブランの体質をチェック!

帰って早速、ブランの体の熱いところはないか、冷たいところはないかを触って確認してみました。

  • 耳、足→温かかったです。
  • 肉球→冷たいといった感じは無く、むくみもなさそうでした。
  • 水もよく飲むので、水が溜まる(水毒)タイプではなさそうです。(水が溜まっている子は水をあまり飲まない)
耳をチェック
耳をチェック中。温かかったです。

気になるのが、「胃熱」。石や草をよく食べます。たまに土も。興奮したり、イライラ気味(?)はもしかして・・と思っています。

さいごに

今回セミナーへ参加して本当に良かったです。5時間半がアッという間の、とても充実した内容のセミナーでした。

全てを理解するのは難しい、奥の深い東洋医学ですが、初心者でもわかりやすいように症状別に解説いただきました。

私の簡単で浅いまとめ記事では伝わりづらいかと思いますが、実際のセミナーは満足度100%の内容です。ご興味ある方は過去のセミナーをネットで受講視聴することもできますので、そちらで是非。

ブランの体質を知って、まずは病気を防ぐこと。もし病気になってしまっても、できるだけ負担の少ない治療を選択してあげられればと思いました。

犬は治療法を選べません。飼主である人間がよりよい選択をできるように、色々な知識をできるだけ正しく持っていられたらいいですよね。

先生も東洋医学と西洋医学、どちらが良いとか悪いとかいうことはありません。どちらかに傾倒するのではなく、病状によってより良い選択をしてあげることが重要です。」とおっしゃっていました。

そして、体の根本が健康でなければ、薬を使っても効かないし、いいと思って与えていたものが毒になることもあるんだと勉強になりました。これは、ブランの舐めグセ治療で「なぜ舐めるのか」を根本からわかってあげないと、薬でいくら患部を治療しても完治しないんだと痛感していたので、とても納得できました。

東洋医学、いいですね。

ちなみに、先生の愛猫ライちゃんは小腸のリンパ腫だったそうですが、抗がん剤もステロイドも使わず、最期まで穏やかな生活を送ったそうです(病気の発見当時は嘔吐もひどかったそうです)。※ブログより

私もブランがもしもの時は、できるだけ穏やかに過ごさせてあげたいと心の底から思います。

幸せな犬生を送れるように。毎日の体調管理には注視していこうと思います。

先生おすすめの薬膳ふりかけ『ヘルシ和漢』を購入してみました。

サプリメントを検討していましたが、先生おすすめのこちらにしてみることに。

ヘルシ和漢は漢方ではないそうですが、普段食べるような食品から作られている薬膳ふりかけ

ヘルシ和漢

ドロドロ血を改善したり、胃腸を強くしたり、体を温めるような栄養成分が含まれています。

そして、食いつきがいいです。

まだ与えたばかりなので、実際の効果のほどは不明ですが、しばらく続けてみようと思っています。

長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。