犬のしつけに主従関係は必要なし!最新版犬のしつけを試した結果
- 2019.12.20
- コラム

犬を飼っている方は「しつけ」をされるかと思います。これまでの犬のしつけには主従関係による上下の関係をハッキリさせることが重要とされてきました。
勉強不足だった私も「そうなんだろう」とつい最近まで疑うことはありませんでした。
ところが、最新の研究では、「犬には主従関係という概念は無い」というのが主流となりつつあるそうです。
つまり、犬はリーダーになろうとしたり、飼主をランクづけしたりしていないということです。
なので、主従関係を築くのではなく、信頼関係を築くというしつけが推進されています。
【信頼関係を築くしつけ】とは簡単に言うと、犬の気持ちに寄り添ってあげることです。嫌がることを無理強いするのではなく、嫌な気持ちを汲んで避けてあげる。そうすることで、犬は次第に穏やかになるそうです。
私はこれを知ってから気持ちが楽になりました。
「あー、無理に従わせようとしなくていいんだ・・」と。
この記事は
これから犬を飼おうとしている飼主さん
愛犬を迎えたばかりの飼主さん
しつけにお悩みの飼主さんに
参考程度に読んでいただけたらと思います。
このしつけ方法ではうまくいかない気質のワンちゃんもいるかとは思います。でも、私は主従関係のしつけを止めて【信頼関係を築くしつけ】に変更したところ、愛犬との関係が断然良くなり、問題行動が減少しました。
主従関係のしつけをやめようと思ったきっかけ
愛犬ブランの子犬期のしつけに悩み、色々なサイトを見ていたので、なんとなく『しつけ』について知ったつもりでいた私です。
子犬の頃は社会化のために散歩へたくさん連れ出し、1歳までに色々な経験をさせてあげられたと自負していました。

なので、それからはしつけについて特に調べることもなく・・。
しばらくして、心の病と思われる陰部の『舐め癖』を発症。ひどい時には血が出ても舐め続けるようなになり、何件も病院に通いました。1年を過ぎた現在も完治には至っていません。
数ヶ月前、環境を変えた方がいいのではないかと思い立ち、『犬の保育園』に通うことにしました。→ 保育園に通い始めた頃の記事はこちら
たくさんのワンちゃんと触れ合うことで気が紛れ、何かいい効果があるかもしれないと考えたからです。
通い始めた保育園の先生はとても熱心で、ブランのためにと色々なアドバイスをしてくれました。

おかげで舐める原因がなんとなく判明し、対処の仕方や接し方を変えるなどして、現在舐める回数を大幅に減らすことができています。
ところが、その保育園はどちらかというと『主従関係を築くトレーニング』をされるところで。
いただくアドバイスも上下関係をハッキリさせて、飼主がリーダーになりましょうというようなものが主でした。
例えば、「散歩時は飼主の左側にピッタリついて歩く」だったり、「待てといえばいつまでも待っていられるようになる。」といった飼主の言うことが絶対のしつけ方法です。
この頃は『主従関係のしつけ』に特に疑問を感じていなかったので、いただくアドバイスを信じ、素直に実行していました。
そしてそのアドバイスや実行した結果をブログに書いたところ、ブログを見た方から一通のメールが届きました。
実はこの方、以前もメールをくださったことがある方です。
犬種は違いますが、同じミックス犬のママさんで、ブランの舐め癖がまだアレルギー疑惑だった頃、愛犬も同じ症状だということでメッセージを送ってくださいました。
今回メッセージをいただいた経緯は、私の主従関係のトレーニングをしている記事を見て心配されてのことでした。
参考になる動画やサイトのアドレスを送ってくださり、「余計なお世話かもしれませんが・・」とおっしゃっていましたが、全然そんなことないです。
むしろ、改めてしつけについて勉強するきっかけになりました。
メッセージをいただかなければ今も主従関係のしつけをしていたと思います・・。
それから、ネットを検索したり、本を読んだり。
色々と勉強しました。
その結果、「主従関係ではなく信頼関係を築くしつけが良い」という考えに行き着いたのでした。
ただ、今でも犬の保育園には通って良かったと思っています。たくさんのワンちゃんと一緒に過ごしたり、犬には毅然とした態度で接することが大切など、ブランと私にとっていい勉強になったことがたくさんあります。
信頼関係を築く犬のしつけとは?
主従関係のしつけ、信頼関係を築くしつけとは?
2つのしつけにはどんな違いがあるのでしょうか。
主従関係のしつけについて
犬はオオカミが祖先であり、階級制のあるオオカミに倣って、犬も家族をランクづけしている。そのため、犬になめられてはいけないという考え。「主従関係をハッキリさせる」「飼主がリーダーになる」ためのしつけの方法。『飼主の命令は絶対』のしつけ。
犬に自分をリーダーだと思わせないために、以下のような例が禁止事項としてあげられることが多いようです。
- ごはんを飼主より先に食べさせてはいけない。
- ソファーなどの高いところに登らせてはいけない。
- 一緒に寝てはいけない。
- 扉から出る時は飼主が先に出なければいけない。
- 散歩で飼主より先を歩かせてはいけない。など・・
ブランがまだ子犬の頃、ネットで見かけた主従関係を示すしつけの方法を色々と試したことがあります。言うことを聞かないときにひっくり返して叱ったり、鼻の頭をピンと指で弾いてみたり。
飼主の方が強いんだぞと分からせるためでした。
ところが、これらの体罰的な方法は逆効果。
余計に興奮し、唸りや噛み付きは酷くなりました・・。

信頼関係を築くしつけについて
そもそも犬はランクづけなど行っていないという考え。犬の問題行動は自分がリーダーになろうとして行っているのではく、ストレスなどが原因であることが多い。そのため、叱ったり従わせたりするのではなく、ストレスの原因を追求・解決することで問題行動を改善させるというしつけの方法。『犬の気持ちに寄り添い、個性を尊重する』しつけ。
最新のしつけ方法には、犬の嫌がることは避ける。基本的には犬がしたいことをさせてあげるという考えが多いように思います。(もちろん、好き放題というわけではありません。)
犬を従わせるのではなく、犬も一個人として気持ちを汲んであげる。
唸ったり噛み付いたりするのは、犬が「嫌だ」と知らせているサインです。
無理強いはストレスとなり、吠える・噛むといった問題行動は悪化するばかり。
嫌なことを無理強いするのではなく、おやつなどを使うことで犬は喜んで指示に従ってくれることもあります。
実際、我が家のブランは以前唸りと噛み付きが酷くなった頃がありました。ブラッシングやエリザベスカラーをつけるなど、「嫌なこと」をされると必ず唸る。特に、舐め癖防止に必須のエリザベスカラーをつけようとすると唸って噛みついてきました。
エリカラが嫌なのはわかっていましたが、どうしようもなくて・・。
「こら!!!!」と叱りながらつけていました。
一時期は手袋に苦味のスプレーをつけながら行っていた時も・・。
ひどい時には手袋を見ただけで唸ることもありました。
ところが、おやつと交換方式にしてからは嘘のように唸ることも噛むこともなくなったんです。
「なめられちゃいけない」と厳しく叱っていた頃は飼主の私もしんどかったです。
こうして主従関係のしつけを一切止め、ブランも私もストレスのない、信頼関係を築けるようなしつけに完全シフトチェンジしました。
信頼関係を築くしつけは以下の通りです。(一例)
- ごはんは飼主より先に食べても問題なし。
- ソファーなどの高いところに登っても良い。(好きなところで過ごさせてあげる)
- 一緒に寝ても良い。
- 扉から出るのは犬が先でも問題なし。
- 散歩で飼主より先を歩いても問題なし。
主従関係の逆ですね。
犬のしたいようにさせてあげても問題ないそうです。
確かに、我が家でもごはんはブランが誰よりも先に食べますが、順番なんてわかっていないんじゃないかと思います。
散歩で先を歩くことも自由にしました。
その方が散歩がとっても楽しそうです🎵
(ちょっと引っ張りすぎるのと、拾い食いをするので、そこはしつけないといけなそうですが・・)

おすすめ参考書籍
ベテラントレーナー「中西典子」さん著書。以前は自身も主従関係のトレーニングをされていたそうですが、現在は「よりそイズム」という造語をスローガンに、犬の個性を尊重し、気持ちに寄り添ったしつけを提唱されています。これまでのしつけとは全く違う、目から鱗のしつけ方法が多数。例えば、甘噛みはさせてもOK!や一緒に寝ても大丈夫!など・・
私のように気持ちが楽になったと言う飼主さんが続出中とか。
ブランには中西流のしつけが効果ありだと感じています。
まとめ
以上、「犬のしつけに主従関係は必要なし!最新の犬のしつけ事情。」でした。
ちょっと前まで当たり前のように言われていた「飼主はリーダーにならなければいけない」という考えは、最新のしつけでは全く変わっていました。
本当は「犬のきもちは犬に聞かないとわからない」と思っています。今回紹介した【信頼関係を築くしつけ】も間違っているかもしれないですよね。
でも、わたしは今主流となりつつある、【信頼関係を築くしつけ】を支持します。リーダーが絶対の我慢を強いるしつけは私にもブランにも向いていないようです・・。(ただ、ある程度「我慢」を覚えさせることはブランには必要だと思っています。)
これまで言うことをきかせないといけないと思ってしつけをしていたので、好きなことをさせてあげてもいいんだとわかってから、本当に楽なんです。
そして、ブランも随分穏やかになりました。
あんなに酷かった唸りが激減です。(まだ唸ることはあります・・)
もちろん、ワンちゃんによって合うしつけは違うと思います。
もしかしたら主従関係のしつけが必要な子もいるかもしれません。
しゃべれない犬のためにも、その子に合ったよりよいしつけができたらいいですね。
まだ子犬だったり、主従関係のしつけをしていたけどうまくいかないという方は「信頼関係を築くしつけ」を一度試されてみるのもいいかと思います。
歳をとったワンちゃんでも変わるそうですよ!
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